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未来をつくる資本主義 世界の難問をビジネスは解決できるか [DIPシリーズ]なかなか 微妙な問題を抱えている本であることも確かだ。
 

 本書は「資本主義が どのように環境問題や貧困問題を解決出来るのか」という課題に挑戦した本である。読んだ感想は二点だ。



 一点目。本書はBOP=Bottom Of Pyramid=世界の貧困層をビジネスチャンスとして捉える本だ。発想の基本軸としては 貧困層からの収奪ではない点を強く謳う一方 ビジネスとして成り立つことは必要条件だとしている。

 その考え方は 非常に微妙な部分も多いと思うが 基本的には正しいと考える。サステイナビリティという言葉がはやっているわけだが 事業として収益が上がらないものは サステイナブルであるわけもなく 早晩立ち行かなくなることは見えている。「損得勘定抜きで」始められたものは 志においては高いものがあるにせよ それが続くことは基本的には難しいからだ。勿論 この発想自体が 資本主義から一歩も出ていない点は認識するが 現実的に考えるとそうではなかろうか。



 二点目。上記「微妙な部分」は実は中々難しい。他の方の指摘にもあったが サブプライムは まさに貧困層をターゲットにしたビジネスであった。志としても「家の持てない人に家を」という高邁なものもあったと聞くが 結果としては 非常にグロテスクなものとなったことも確かだ。この危険性に関しては 本書からは有効な処方箋は読み取れない。



 結論として 本書を読むことは知的に興奮する体験とはなった。資本主義の枠組みで働いている一員として 考えるヒントになっ...


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